2015.06.08 私の頭の中の別荘
お久しぶりの日記です。お久しぶりにして、告知のための日記です。
初台のおしゃれなブックカフェ、MOTOYAさんにて開催中の手づくりBOOKフェアに参加しております。いろいろな作家さんが“本”という形で作品を発表しているグループ展です。
私は『木曜日の別荘』という作品を出品しております。ここ数年、私の頭の中に建っている別荘を表現する手段を模索していまして、そんなところにお声をかけていただいたので、これは何かのおぼしめしかな、と形にしました。MOTOYAさんが紹介してくれているので、こちらも併せてどうぞ。
『木曜日の別荘』というタイトルですが、他にも日曜日、月曜日、火曜日の別荘が頭の中に建っています。そのうち月曜日の別荘はかつて高円寺のみじんこ洞さんが出されているミニコミ誌、minority9にて描かせていただいたものです。
もともと、頭の中の発想をそのまま表現できるということで、アニメーションという表現に心惹かれるようになったのですが、本というのもまた時間軸を持つ独特の表現ができるものですね。そして、映像とは違って機械を通さずともそのまま見てもらえるのが嬉しい。
最近、表現媒体についてよく考えます。私は絵を描くのは好きですが、絵画って枠がそんなに好きじゃありません。その1枚で表現している人たちへの尊敬の念はあるのですが、別にもっといろんな方法で自分の表現したいものを自由に表せばいいんじゃない?って思うのです。そういった考えはどうやら昔から潜在的に持っていたらしく、非常勤先で私が受け持った授業ではいろんな素材をごちゃごちゃと取り込んで、例年展示のときに途方にくれるというものが多いです。
その点、“本”というものはとても面白いですね。確かに本というひとつの枠の中なのだけど、本って定義は絵画よりもずっと柔軟に広範囲のものを包み込んでくれる枠のような気がするのです。ホチキスで留めたものも、リングで束ねたものも、一枚の紙を折っただけでも“本”の仲間。何かを表そうとした人の手を動かした痕跡であり、結晶。
そんな風に思えるようになったのは、昨年見にだけ行ったMOTOYAさんの手づくりBOOKフェアで、いろんな“本”と出会えたからかもしれません。
と、うまいとこ宣伝に戻ってくることができました。
まあ、絵画だって、必ずしもキャンバスに1枚で描かなきゃいけないわけじゃないしもっと広範囲で考えて自由に描けばいいって話ですよね。そういう作品だってたくさんありますもの。自分がまだいかに小さな世界しか見ていないんだなと思い、もっといろんなことを知りたいな、と思う日々です。
ひとつ作品と呼べるものを生み出せて、ほっとして興奮しています。
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